家庭教師に求められるのは、どういうスキルでしょうか。例えば、ある中学生が中間テストで惨憺たる成績だったので、Cクラスの学級に変更された。その親が家庭教師を募集したとします。非常に良くあるケースのはずです。
この場合期待される役割は、期末テストでBクラスに進めるような点を採り、さらにはAクラス、そして優良高等学校に進学できることでしょう。しかしこれはどちらかと言うと、短期的なものの見方かと考えられます。学校の勉強だけで十分でないのなら、その生徒の勉強方法や勉強に対する姿勢に問題があるはずです。したがって家庭教師は、学校で教えるようなやり方で通り一遍の復習や予習に終始するのではなくて、何らかの工夫が必要になってきます。
この工夫の本質は、PDCAです。Pとはplanであり、生徒が抱える問題点を把握して解決方法を計画立案すること、Dとはdoであり、その計画を実行すること、Cとはcheckであり、計画を実施した結果有効だったかそうでなかったかを見極めること、Aとはactionであり、計画の評価と今後の展望を考えることです。このPDCAの延々たる繰り返しによって、生徒を自分で学習する体質に変えていくことが期待されているのです。こうした着眼点に立った家庭教師は、生徒に応じた問題解決方法を見出す点に優れ、来るテストにおいて高得点を得られるように指導するばかりでなく、希望校入学、ひいてはその後の人生において常に進んで学習する体質を授けることになるのです。
したがって生徒の親が家庭教師を募集しようとするのなら、誰でも良い、というのではなくこのようなスキルを持つ人材を探さないと意味がありません。